FXするうえで絶対に理解しなくてはならない証拠金(ここでは有効証拠金と証拠金維持率)について書いていきます。
「証拠金」という言葉はむずかしいように感じますが、じつは簡単に理解できるので最後まで読んでみてください。
FXトレードでは有効証拠金に対してどれくらいのロット(数量)を取るようにするのかということと、
証拠金維持率を確認しながら適切にポジション管理をしていくことが必要スキルとなります。
海外FXのボーナスのことも絡めて、トレードに絶対に役立つ知識としてわかりやすく解説していきます。
有効証拠金と証拠金維持率

ほとんどの(海外の)FX業者に採用されている取引システムであるMT4 / MT5に表示されている 有効証拠金 と 証拠金維持率 、このふたつはとくに重要な数値となるのでFXトレードするうえで常に確認していかなくてはなりません。(というか嫌でもそうなる)
証拠金とは、担保として預けるお金のこと。
FXではこのお金にレバレッジをかけることによって、預けているお金以上の取引ができる。
MT4 / MT5で表示されている、
- 有効証拠金(有効額)
- 証拠金維持率
- 証拠金
- 余剰証拠金(可能額)
上記の用語の意味を「トレードに役立つ知識」をまじえながら解説していきます。
▼ ちなみに 残高 とは今ある現金のことで、証拠金維持率 と 証拠金 はポジションを保有してから数値が表示されます。

有効証拠金(MT5では有効額)
有効証拠金とは平たくいえば 今、口座にある資金 のことです。
有効証拠金 = 口座資金
シンプルにこの覚え方でいいです。使うことのできる有効な証拠金のこと。
ただしポジションを保有している場合には、含み益と含み損を含んだ数値となります。
つまり有効証拠金はポジションを保有していると変動します。
MT4では 有効証拠金 と表示されていることに対し、スマホ版MT5では 有効額 と表示されていますが同じ意味です。
この有効証拠金を使ってポジションを保有することになりますが、この有効証拠金が大きいほど大きなロットを取ることができ、
含み益のあるポジションを保有している場合、この含み益を担保にしてさらに大きなポジションを取ることもできます(ピラミッティングのような攻めすぎたトレードはあまりおすすめしませんが)
証拠金維持率
証拠金維持率はポジションを保有してどれくらいまで耐えることができるかの数値です。
FXでは預け入れた証拠金(口座資金)にレバレッジをかけることによって口座資金以上のお金を動かすことができますが、
証拠金が一定額を下回ると強制決済されます。
MT4上では 証拠金維持率 と表示されていてスマホ版MT5では 証拠金率 と表示されていますが同じ意味です。
強制的に決済されることを強制ロスカットともいいますね。
強制ロスカットが発動されれば、ほぼほぼその口座資金のすべてを失うことになります。
代表的な海外FX業者のXMTradingでは証拠金維持率が20%を切ると強制ロスカットです。
このことはストップアウトといういい方もします。
強制ロスカットが「何%を切ると発動されるのか?」はFX業者によって異なります。低い業者ほどトレーダーにとって有利。
証拠金維持率の目安
証拠金維持率の目安はトレーダーの見ている時間軸によって異なりますが、よほどスキルに自信がないかぎり4ケタはキープしておくほうが良い。
大前提として資金量とトレードスタイルによって変わりますが↓
- 比較的安定させたトレードの場合:証拠金維持率2,000以上、つねに4桁以上をキープ!
- 少額入金+スイングトレード:証拠金維持率1,000以上
- 少額入金+玉砕覚悟のハイレバデイトレード:証拠金維持率500以上
証拠金 | 余剰証拠金(MT5では可能額)
余剰証拠金などについて、ここの項目はあまり気にする必要はありませんが一応解説します。
保有したポジションに対していくらの証拠金を差し出しているのかを、
MT4 / MT5では 証拠金 として表示されています。
この数値は口座の資金量によって変動するというものではなく、あくまで通貨ペアを保有するのに必要な証拠金とロット数で決まります。
ポジションを保有していないときには「0表示」か非表示となります。
ポジションを建てるのに必要な証拠金は、FX業者と通貨ペアによってかわります。
「ポジションを保有するのに差し出す証拠金がいくら必要なのか?」といったむずかしい考え方はしなくていいです。
自信がないうちは証拠金維持率に余裕を持たせながら分割してエントリーすること。
ポジションを保有している場合、すでに差し出している証拠金以外の余剰証拠金の部分から新たなポジションを新規建てするということになります。
MT4では 余剰証拠金 、スマホ版MT5では 可能額 と表示されていますが同じ意味です。
証拠金 + 余剰証拠金(可能額) = 有効証拠金(有効額) となりますが、あまり意識しなくていいです。
FXのような「証拠金取引」の避けるべき最悪なケースとは!?

国内証券会社でレバレッジをかける取引をしていて最悪なパターンとは、
保有ポジションの含み損がふくれ上がってしまい、そのポジションを維持するために追加の入金をうながされて入金を繰り返してしまうことです。
本来、FXや株式の信用取引はレバレッジをかけた短期の投資手法であるためにこのような状況におちいってしまうこと自体がおかしいのですが、
知識と経験がないまま「レバレッジ取引」に手をだしてしまうと、このような最悪な心理状況にもなりうるということです。
こうなってしまえば私生活にも影響が及びます。
マージンコールに追われ、ハラハラして入金を繰り返すことは絶対に避けなければなりません。
さいわい海外FXでは「追証なし」なので預け入れた元本以上の損失はありません。
海外FXではポジションを維持するために追加入金をするというのは一般的ではありません。
入金額を最大で失う金額(入金額 = ストップロス)と見立てたトレード戦略を考えるトレーダーも多い。
ここまででいえることは次のことです。
- FXのようなレバレッジ取引(証拠金取引)を長期保有目的で運用しない
- 証拠金維持率ギリギリのポジションを持たない
- 負けだと思ったら損切りしたほうが早い
- 海外FXでは入金額をストップロスと見立てた攻めたトレードの考え方もある
とくに証拠金取引のような短期のトレードでは、含み損がふくれ上がっていてすでに負けているような状態でポジションを維持するための「入金」はしないほうがいいと考えています。
逆にいってしまってポジションを足していくようなナンピン地獄もやってはいけない典型例として同じことがいえますね。
「ハイレバレッジ」と「追証なし」だからこそ、最初から割り切った金額を入金するようにすれば追加入金に追われる状況にならないことがかえって海外FXの良いところ。
そしてXMといった海外FX業者にはボーナス(= クレジット)の存在があります。
ボーナスは有効証拠金を有利にしてくれる。
海外FXの有効証拠金とボーナスの関係について
XMやFXGTのようなボーナスがある海外FX業者の場合、
現金とボーナスを合計した口座資金が有効証拠金となります。
MT4とMT5ではボーナスは クレジット と表記されています。
ボーナス = クレジットです。
ボーナスと有効証拠金・証拠金維持率の関係

XM、FXGTでは強制ロスカットされてしまうまでの証拠金維持率もボーナスをくわえて判定してくれます(クッション機能ありという)。
海外FX業者によっては、ボーナスの性質が単にレバレッジを上げられることだけにとどまっていて、強制ロスカットされるまでの証拠金維持率にボーナスを含んで判定してくれないタイプのボーナスもあるので注意が必要です。
その場合、現金部分がなくなった時点でボーナスも消失します。
XM、FXGTのボーナスでは有効証拠金がボーナスのみになったとしてもポジション保有を維持できますし、必要な証拠金さえ満たしていれば残高が0でもボーナスだけで新規のポジション建てをすることができます。
出金できるのは有効証拠金ではなく現金残高のみ

ボーナスがあるとき「有効証拠金」が出金できる金額ではないです。
出金は現金の部分だけを出金できます(あたりまえ)
出金できるのはMT4 / MT5の表示でいう「残高」の数値です。
ボーナスが絡むと有効証拠金が大きく見えて誤解しがちですが、出金できるのはあくまで残高のみということは覚えておきましょう。
ボーナスは出金できないという当然の話です。
出金すると(XMでは一部の)ボーナスが消失してしまうことにも注意ですね。
海外FX業者によっては資金移動をしたら移動元のボーナスが全消失してしまうこともあるので利用する各海外FX業者のルールは確認するようにしましょう。
有効証拠金と証拠金維持率についての考え方
FXではポジションを保有したらプラス・マイナスの損益だけに目がいきがちですが、
同時に証拠金維持率はかならず確認すべき。
すなわち口座資金である「有効証拠金」に対してムチャなロットを取らないこと。
海外FXでお金をすぐに溶かしてしまう人の特徴として、たいていロットが大きすぎるということがほとんどです。
ロスカットラインを決めてないとかもダメですが。
エントリーから損切りするまでを決めて、逆いったら最悪いくら失ってしまうのかをあらかじめ知っておくこと!
ここまでのまとめ!
- 有効証拠金とは トレードするための口座資金 のこと
- 有効証拠金は 含み益と含み損 によっても変動する
- 証拠金維持率が一定水準を下回ると強制ロスカットとなり口座資金を失う
- FXのような短期トレードの場合、マージンコールに追われての入金やナンピンを繰り返すことは危険な場合がある
- ボーナスありの海外FX業者の場合「現金残高 + ボーナス」が有効証拠金となる
- ボーナスありのFX業者の場合、有効証拠金が出金できる金額ではない
- エントリー前には有効証拠金に対して適切なロットを取ること
- エントリー後には 証拠金維持率 をかならず確認していくこと
海外FXの有効証拠金と証拠金維持率のルール
XMを例にすると、XMでは証拠金維持率「20%」でストップアウトです!
この20%の水準は海外FXで多く採用されている水準であって、FX業界全体で比べても有利なほうですが、なかにはExnessやiFOREXのような0%まで耐えられる海外FX業者もあります。
スプレッドが狭いわけではないボーナスを提供している海外FX業者は「比較的長めのデイトレード」や「数日をまたぐスイングトレード」に向いていることが多いので、
とくに証拠金維持率を確認しながら適切にポジション管理をしていけることが大事なことになります。
資金管理ができずに、
証拠金維持率が200%から100%近くになってしまい強制ロスカットされてしまうかも〜とハラハラした状態になっているトレードはおかしいです。(ボーナスのみのトレードなどで一発勝負だと割り切っている場合を除く)
見ている時間軸や資金量によりますが、証拠金維持率3桁は少なすぎてハラハラしてしまうので避けること。
証拠金維持率には余裕をもたせる!
株価指数、貴金属、原油など金融商品によって最大レバレッジが違うので強制ロスカットされてしまうまでの距離・感覚はかわってくることにも注意です。
メジャー通貨ペアであってもスイスフランの場合、証拠金設定が高くてポジションを取った瞬間、いつもと比べて証拠金維持率が少なく感じるFX業者は多いはずです。
海外FXでは口座資金(有効証拠金)によっても最大レバレッジに制限がかかることにも注意です。
FXではポジションを保有したまま出金申請をした場合、
出金元口座の証拠金維持率が低下してポジションに影響を及ぼす場合には拒否されることがあります。
このことは同一のFX業者における口座間の資金移動でもそうです。
例としてXMでは出金元口座の証拠金維持率が150%以下に(週末中は400%以下に)落ち込む出金申請はできません。
海外FXの証拠金関係のルールのまとめ

- 証拠金維持率が一定数(XMでは20%)を下回ると強制ロスカット
- 現金残高とボーナス(= クレジット)を合計した金額が有効証拠金となる
- XMやFXGTでは、強制ロスカットされてしまうまでをボーナスを含めて判定してくれるが、そうではないクッション機能なしのボーナス業者もある
- 金融商品によって最大レバレッジが違う
- 口座資金(有効証拠金)によってレバレッジ制限がかかる
- ポジション保有中の取引口座の維持率によっては出金・資金移動できない
- 現金残高しか出金できない(ボーナスは出金できない)
- 出金すると(FX業者によって一部か全部の)ボーナスが消える
ここまで知っていればノンストレスで海外FXトレードできるので覚えておきましょう。